ドメーヌ・ル・ブリゾー&ナナ・ヴァン Domaine Le Briseau & Nana Vins
ロワール地方は、トゥール市からナント市に向かうちょうどあいだの町シャトー・デュ・ロワールの手前を東に5kmほど、川に沿った農道を通り過ぎると、クリスチャン・ショサールとナタリー・ゴビシェールのドメーヌがあるマルソン村に着く。彼らの畑は総面積9haで、ドメーヌの周り半径5km以内に複数点在し、大半が小高い丘の南向きの斜面に面している。 クリスチャン・ショサールがヴヴレーで本格的にワインづくりを始めたのは1988年。ビニョロンの仕事と、醸造学校の講師を掛け持ちながら1999年までワインづくりを続ける。その後、ヴヴレーのワイナリーを引き払い、2002年再びジャニエールにドメーヌ・ブリゾーを立ち上げる。2012年にクリスチャンが亡くなり、その後を妻のナタリーが引き継ぐ。2014年からネゴスのナナ・ヴァンの醸造所をラングドックに設け、ロワールと行き来しながらワインづくりを行っている。 産地:フランス>ロワール>ジャニエール>マルソン(ドメーヌ・ル・ブリゾー) フランス>ラングドック>アスピラン(ナナ・ヴァン) AOC:コトー・デュ・ロワール、ジャニエール 畑総面積:9ha 農法:ビオロジック 収穫方法:100%手摘み、畑で選果 |
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スゼット! 2024(白) (ナナ・ヴァン) ワイン名のスゼットは昔のフランス人の女性名。2022年は、クレレットと、ふくよかと酸を兼ね備えた骨格のある味わいが特徴のカリニャンブランのアッサンブラージュ。出来上がったワインは、まるで搾りたてのグレープフルーツを飲んでいるかのような柑橘系の酸と苦みが心地よいフレッシュな味わいに仕上がっている。 マセラシオン無し、自然酵母で15日間発酵、ステンレスタンクで8か月熟成。 葡萄品種:テレブラン50%、カリニャンブラン50% price:3440円 /750ml |
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ブディ・ブディ! 2024(ロゼ) (ナナ・ヴァン) 北のピノドニスと南のサンソーの味わい的に近しい関係を英語のBuddy-Buddy(バディ・バディ:親しい間 柄)と表現しアッサンブラージュをしたワイン。ナタリーの目指すブディ・ブディは、南のロゼというよりもジュラのプールサールに近い薄ウマ赤をイメージしている。2024年は、南北両地域で完熟した酸のあるブドウが収穫され、品質的には当たり年となった。醸造は、前回同様に色の抽出が良かったため、タンニンの抽出を抑えるため敢えてセニエは行わず、時間をかけてゆっくりプレスをしてブドウの持つミネラルと旨味のみを引き出した。出来上がったワインはフレッシュでみずみずしく、サンソーの透明感のあるジューシーなエキス、そしてピ ノドニスのスパイシーなミネラルの融合が超絶妙。 葡萄品種:ピノドニス50%、サンソー50% price:3950円 /750ml |
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パタポン 2022(赤) (ドメーヌ・ル・ブリゾー) ル・ブリゾーのフラッグシップであるパタポン。2022 年は、ブドウがかつてないほど早熟だったのに加えて、 日照りによりブドウのタンニンの含有量が多い年だった。醸造は、タンニンをなるべく抽出し過ぎないようにマセラシオン中、ルモンタージュもピジャージュも一切行わなかった。色合いは透明感のあるルビー色。グ ロゼイユ、クランベリー、赤いバラ、お香の香り。ワインは滑らかかつエレガントでピュアな果実味に艶やかさがあ り、鉱物的なミネラルと上品なタンニンの収斂味がきれいに溶け込む。 スミマセラシオンカルボニックをステンレスタンクで4週間、自然酵母で4週間発酵、ステンレスタンクで10ヵ月熟成。 葡萄品種:ピノ・ドニス(樹齢47年平均) price:4430円 /750ml (完売) |
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ママ・ムシ 2021(赤) (ドメーヌ・ル・ブリゾー) クリスチャンが亡くなる直前にモルティエの区画に植えたピノドニスだけを使って仕込んだ新しいキュヴェ。今までは天候に恵まれずほとんど収量が取れなかったので全てパタポンにアッサンブラージュされていた。だが、樹齢10年を超えた今やっと収量が見込めるようになり、今回新しく仕込むに至った。ママ・ムシのピノドニスはパタポ ンよりも上のクラスのモルティエの区画だが、樹齢が10年前後と若いため、真のモルティエとは言えない 「まだモルティエに成り切れていない un arriveste(若造・成り上がり者)」という感じが、劇作のトルコ 王子ママ・ムシのキャラクターと重なり、このような名前を付けたそうだ。 ワインは、若木らしい酸味のあるピュアでチャーミングな味わいに仕上がっている。果実のみずみずしさがはっきりと出ていて、それでいてきちんとモルテ ィエの片鱗を感じさせる滋味豊かなミネラル感がある薄ウマワインです。 葡萄品種:ピノドニス(樹齢10年~12年) price:3760円 /750ml |
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キャラクテール 2023(白) (ドメーヌ・ル・ブリゾー) キャラクテールの区画は畑が東西に伸び、 日中の半分しか日が当たらないので晩熟、酸の豊かなブドウできる。2023年は10月までブドウの完熟を待つことができ、それでも酸が落ちなかったので味わいのバランスはパーフェクトだと言う。出来上がったワインはエレガントかつクリスタル感に溢れキラキラしている。昆布ダシのようなしっかりとした旨味、そしてミネラルの塩味と苦み、調和の取れた酸が三位一体となり染み渡る。余韻も長く、まさに白のトップキュヴェにふさわしい貫禄と上品さをまとっている。 葡萄品種:シュナンブラン(樹齢59年~64年) price:6300円 /750ml |
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コ・テ・クゥール 2023(赤) (ドメーヌ・ル・ブリゾー) 畑はモルティエ。Côté Cœur(愛する人の傍にいる)という意味のCôtéを品種のCôtに掛け、亡きクリスチャン・ショサールのオマージュとしてつくったコ・テ・クゥール。出来上がったワインは、ガメイが半分占めている分酒質が滑らかでエレガント。また、コーはいつもよりも味わいがスレンダーで、キュートな酸がこの年のミレジムの特徴をよく表 している。今飲んで美味しい、フレッシュなうちに楽しめるワインに仕上がっているのだが、そうは言ってもドメーヌのトップの畑モルティエのヴィエーユ・ヴィーニュのブドウなので、数年経ってフレッシュな酸が落ち着くとさらに色気が加わりそうなポテンシャルも十分に秘めている。 葡萄品種:コー50%、ガメイ50%(樹齢52年平均) price:4940円 /750ml |
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ル・トン・デメ 2023(赤) (ドメーヌ・ル・ブリゾー) ブドウは LesPies(レ・ピィ)と呼ばれる樹齢100年を超える面積30アールの畑。収量の確保できた年のみ仕込む、モルティエと並ぶスペシャル キュヴェ。ワインは、エレガントな果実味にテロワール剥き出しのミネラルが融合した飲みごたえのある味わいに仕上がっている。例年よりも果実味がスレンダーゆえ、まるで鉱石を舐めているようなパンチのあるミネラルが味わいからダイレクトに伝わる。まさにピノドニスのグランヴァン、今飲んでも十分美味しいが、このワインの真のポテンシャルを発揮させるためにできれば最低5年は寝かせたい。 葡萄品種:ピノドニス(樹齢100年以上) price:6630円 /750ml |
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パタポン・ブラン 2023(白) (ドメーヌ・ル・ブリゾー) 3年ぶりのリリースとなるパタポン・ブラン。今回は贅沢にも白のトップキュヴェ、ル・ブリゾーのブドウが使用されている。2023年は例年よりもアルコール度数が低く、味わい的にもル・ブリゾーのレベルに達していないと判断したナタリーは最終的にパタポン白に格下げしてリリースすることにした。出来上がったワインは、確かにル・ブリゾーとしてはアルコール度数低めで味わいもスレンダー。だが、 澄んだエキスに溶け込む昆布ダシのような旨味のパワーが凄い。余韻に長く残るミネラルの塩味からル・ ブリゾーの持つ偉大なテロワールが透けて見える。 葡萄品種:シュナンブラン(樹齢60年平均) price:5110円 /750ml (完売) |
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